雨が続いていています。
旅に出て雨が降るとちょっとがっかりしている方もいらっしゃるのでは。
与謝野晶子が詠んだ句です。
伊香保山雨に千明の傘さして
行けども時の帰るものかは
11年の伊香保での作。丁度雨が降り出したので温泉宿千明の番傘をさして町へ出かけ物聞橋の辺りまで歩いてみた。所は同じでもしかし時は違う、過ぎ去った時は決して帰ることはないのである。この折榛名湖の氷に孔をあけ糸を垂れて若鷺を釣る珍しい遊びを試みたひとがあつた。それは氷よりたまたま大魚釣られたり榛名の山の頂の春と歌はれ、又、我が背子を納めし墓の石に似てあまたは踏まず湖水の氷という作も残されていゐる。 晶子鑑賞 平野萬里
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